配当表【競売】

競売

配当表【競売の場合】

配当表とは、配当期日において、執行裁判所によって作成される売却代金交付計算書のことです。

競売手続きによって、買受人が物件を落札し、代金を納めますと、その売却代金が、各債権者(差押債権者や配当要求をした債権者等)に対して、配当が実施されます。

この際に執行裁判所によって作られる書類が、他ならぬ、配当表です。(配当期日呼出状に従い、裁判所へ出頭し、希望すれば、受け取りが可能です。)

以下、関連する条文です。

民事執行法第84条(売却代金の配当等の実施)

執行裁判所は、代金の納付があつた場合には、次項に規定する場合を除き、配当表に基づいて配当を実施しなければならない。

民事執行法第85条(配当表の作成)

執行裁判所は、配当期日において、第87条第1項各号に掲げる各債権者について、その債権の元本及び利息その他の附帯の債権の額、執行費用の額並びに配当の順位及び額を定める。

裁判所で作成される具体的な配当表は、以下のようなものです。(画像をクリックしますと、拡大表示されます。もう一度、クリックすると閉じます。)

配当表

配当表では、以下のような優先順位に従い、配当項目が記載されております。

  1. 手続費用
  2. エム・ユー・フロンティア債権回収㈱
  3. 市役所

配当表に係る各項目の簡単な注釈

【1.手続費用】

これは、競売の申立費用に相当するものです。共益費用の先取特権として、最優先で配当がなされます。

担保不動産競売に係る申立費用』でも書きましたが、債権金額約1500万円に対し、実際の競売申立費用は、50万円ほどになっております。

民法第307条(共益費用の先取特権)

共益の費用の先取特権は、各債権者の共同の利益のためにされた債務者の財産の保存、清算又は配当に関する費用について存在する。

【2.エム・ユー・フロンティア債権回収㈱】

債権者が、抵当権に基づき、その売却代金から優先的に自己の債権の弁済を受けることとなります。

上記配当表では、抵当権者がエム・ユー・フロンティア債権回収㈱1社だけですが、仮に複数の抵当権者・根抵当権者がいた場合には、抵当権設定登記日の先後によって、優劣が決まり、配当が実施されることになります。

民法第369条(抵当権の内容)

抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。

【3.市役所】

国税徴収法や地方税法等の規定上、滞納者の財産に強制換価手続がなされた場合には、交付要求しなければならないため、手続きに従って、交付要求がなされております。

この配当表では、交付要求だけにとどまっておりますが、税務当局によっては、当たり前のごとく、差押をしてくることもあります。

なお、御覧頂いておわかりのとおり、エム・ユー・フロンティア債権回収㈱が債権を全額回収できていないので、市役所に関しては、配当がありません。

国税徴収法第82条(交付要求の手続)

滞納者の財産につき強制換価手続が行われた場合には、税務署長は、執行機関に対し、滞納に係る国税につき、交付要求書により交付要求をしなければならない。

地方税法第373条(固定資産税に係る滞納処分)

4.滞納者の財産につき強制換価手続が行われた場合には、市町村の徴税吏員は、執行機関に対し、滞納に係る固定資産税に係る地方団体の徴収金につき、交付要求をしなければならない。

7.前各項に定めるものその他固定資産税に係る地方団体の徴収金の滞納処分については、国税徴収法 に規定する滞納処分の例による。

地方税法第13条の2(繰上徴収)

地方団体の長は、次の各号のいずれかに該当するときは、既に納付又は納入の義務の確定した地方団体の徴収金でその納期限においてその全額を徴収することができないと認められるものに限り、その納期限前においても、その繰上徴収をすることができる。

1.納税者又は特別徴収義務者の財産につき滞納処分(その例による処分を含む。)、強制執行、担保権の実行としての競売、企業担保権の実行手続又は破産手続が開始されたとき。

※通常の交付要求書では、国税徴収法第82条という文言での記載が多いです。税金の種類によって、根拠条文や解釈は変わってきますので、この点は何卒ご了承ください。

まとめ

上記の配当表は、競売で売却された場合における配当表です。

当然のことながら、任意売却における配当表(配当案)では、各項目の点で、大きく異なってきます。

しかし、こうした競売における配当表が元となり、実際の任意売却の現場では、担保の解除交渉が行われている現状です。

そんなわけで、競売における配当表も、任意売却における位置づけとしては、それなりに重要でです。

もっとも、一般の多くの方々にとっては、直接関わってくるものではありません。今後の何かの参考になればと思い、記した次第です。

債務者・所有者の方におかれましては、任意売却や競売を検討する一参考となれば、幸いでございます。


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