任意売却をすることは、人生における大きな失敗?

任意売却

任意売却の相談を受ける中で、依頼者の方から、
任意売却失敗の表情

『住宅を購入するとき、もっと冷静に考えていれば、こんなこと(任意売却)にならなかったのに…。(不動産を購入して)、ほんと、失敗した。』

…という溜息交じりの言葉をよくいただきます。

任意売却をすることが人生の大きな失敗にあたるのか?

任意売却の状態は、住宅ローンが返済できなくなる状態、つまり、デフォルト(債務不履行)の状態に他なりませんので、当然のこととして、この状態は、心の底から願うべきものではなく、できることなら、誰しもが避けたい状況です。(参考:任意売却/働く私のココロと幸せ 任意売却とデフォルト(債務不履行)

したがって、ローンを滞納して、任意売却しなくてはならない状況を憂い、ご家族や連帯保証人などに対して、迷惑をかけたことを失敗として悔む気持ちは、私としても、大変よくわかることであります。

借りたお金を返すのが、本来の筋ですから、それができないことを、素直な気持ちで、失敗事として捉えられるのは、ごく自然な気持ちでもあり、ある種、仕方がないことかと思います。

しかしながら…

借りたお金が返せなくなり、個人信用情報機関の延滞情報が登録(ブラックリスト)され、任意売却をする状況になったとしても、そのこと全般が、人生における失敗(汚点)にあたるのかと言えば…

必ずしもそうとは言い切れないのが、私の率直な考えでもあります。

住宅ローンが返せなくなる原因

そもそも、なぜゆえ、住宅ローンが返せなくなってしまうのか?

その原因を大まかに考えてみますと、次のようなものが挙げられるかと思います。

  • 物件の購入時に、不動産業者の甘い囁きにそそのかされ、資金計画をよく考えずに、住宅を購入し、過剰な返済比率でローンを組んだこと。
  • 経済情勢の悪化による売上収益の減少、会社の倒産及びリストラに伴う給与収入の減少等々によって、ローンの支払いが困難になったこと。
  • 定年退職後、満額受け取れると想定していたはずの年金や各種運用益が、予期せぬ世界情勢や国の事情等によって、計画通りに行かなくなったこと。
  • 住宅金融支援機構(※旧住宅金融公庫)のゆとりローンのように、誰もが存続しうると考えていた日本型特有の終身雇用システムを前提として、不動産を購入し、住宅ローンを組んだこと。

…etc。

ローン返済ができなくなる原因について感じること

上記の原因を客観的に見てみますと…

原因が、必ずしも債務者本人だけの帰責性によって、発生しているものではないということが言えるのではないかと思います。

こちらです

つまりは、ローンが返せなくなった原因の多くが…

『本人の意思と関係のない、外的な原因、つまりは、不可抗力によって生じている。』…と言えるのだと私は思うのです。

そもそも、競争原理を取り入れた資本主義経済の中では、時間の流れとともに、景気の変動や技術革新の変化が生じるのが宿命です。

そうした宿命的なメカニズムを前提した中では、様々な変動や変化によって、企業の売上に係る増減や淘汰が生じるのも、これまた、ある意味、必然でもあります。

結果、最終的に、企業に属する従業員の給与やそれに係る収入が増減するのも、ごく自然なことです。

景気変動・技術革新のメカニズムが、経済に組み込まれているのでありますから、その原因を避けたくても、本人だけの力では回避しようがないのが実情であると、私は改めて考えるのです。

とどのつまり、住宅ローンの支払いが困難になり、任意売却に到った経緯を振り返り、そのことをすべて自分自身の責任として捉えられるのは、私からすれば、逆に考えすぎではないかと思うのです。

もちろん、借入金(ローン)を滞納される方の中には、ギャンブルや浪費癖などを持った方も少なからずいらっしゃいますので、本人の責任によって、ローン滞納が生じてしまう場合も存在しますが…

そのようなケースは、全体的な割合としては、かなり少ないケースであることも、また確かではあります。

失敗ではなく良い経験

少なくとも、住宅(ご自宅など)を購入したときには、ご家族を幸せにしたい一心で、住宅ローンを組んだはずですから、仮に、ローンを組んで、住宅購入したことを失敗として捉えるのであれば、ご家族の幸せを望んだ気持ちまでも、否定することになりかねないでしょう。

家の購入を通じて、ご家族を幸せにしたいという気持ちは、決して間違ったことではなかったはずです。

家族の画像

よって、過去における住宅の購入を失敗として捉えられるのは、本質的には、ご家族の幸せを願った事自体を否定する、良くない考え方とも捉えられます。

住宅ローンを借りる方の多くは、責任感をもった真面目な方が多いです。これは、裏を返せば、金融機関の立場としては、ルールに従って、きちんと真面目に借入金の返済ができる人に限定して、融資を行っているとも言えます。

真面目な方は、深く捉えすぎる傾向がありますので、この点については、逆に、失敗として捉えるのではなく、良い経験として捉えたほうが、その後の人生にとって、プラス材料になるのではないかと改めて思うのであります。

総括・補足

ローンを滞納してしまう原因は、厳密には、人それぞれです。

基本的には、ローンの返済ができなくなり、任意売却をしないといけない状況になってしまったとしても、それ自体を、人生の大きな失敗事として、捉える必要は全くないです。

なお、住宅ローンを滞納し、任意売却をすること自体は、失敗であるとは考えられませんが…

任意売却をする際、甘い囁きに惑わされて、任意売却の不動産業者選びを間違ってしまうことは、ある種、大きな失敗でしょう。

ローンの資金繰りで、お金には散々懲りているにもかかわらず、多額のお金(引越費用等)の捻出に目がくらみ、最終的に、欲に負けてしまうのは、残念ながら、懲りていない証拠であると思えるからです。この点は、ご自身に大きな責任があるのは、否定できないでしょう…。
惑わされないぞ

何事においても、甘い誘惑には、惑わされないよう、注意が必要ということですね。

 


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